梅雨時・・・双眼鏡のお手入れしてます?
 
 毎日、うっとうしい天気が続きますが、こんな季節は双眼鏡とかカメラ・レンズ等の光学もののお手入れとか点検とかしたいものですよね。大切な双眼鏡でも、バーダーさんならフィールドで降られたりもするわけで、お家に帰ったらケースから出して乾かしてあげましょう。間違っても、そのまま収納したりするとカビたりしますから注意が必要です。ストラップも汗等の水分を含んでいますから、まめに取り外します。
 とくに探鳥会のリーダーさんとか、カメラのご主人とか一日中しゃべりっぱなしWの方は、上の写真のように唾液が接眼レンズに飛びがちですから気を付けましょう。唾液痕・・・これ、完全に乾ききると意外にやっかいだったりします。medaichiなんかの双眼鏡だと海岸で風の強い日は、海水の飛沫がけっこうきます。塩分も大敵ですからまめにケアしないとね・・・。
 
   
 medaichiが双眼鏡などのお手入れに、普段使っているものは左の写真にあるものです。まず、右側の黒いのはブロワ、パフパフってゴミを吹き飛ばすやつです。できるだけ大きなもののほうが使いやすいです。PCとかのスプレー式のエアダスタは、低温の液がかかるとコーティングに悪そうなので使いません。次に柔らかなブラシを2本、筐体用とレンズ周り用は使い分けます。女性のお化粧用のブラシを使っていますが、洗剤で何度も洗って油分を取り除いています。また一度使用したら洗うようにしています。

 クリーニング液もクロスに付けて使用します。以前は市販の界面活性剤入りのものを使っていましたが、要は薄い石鹸液みたいなもんで、乾きも遅いし、なんかスッキリしません。アンモニアが入ってるものもあり「こんなのアルカリやん・・・、レンズコーティングに良く無いんと違うかな・・・」とかウダウダ考えて、今は、堀内カラーの「HCL LENSクリーナ」をもっぱら常用。アルコールベースで乾きやすく、光学もの手拭きのスタンダードの「 OLYMPUS EEクリーナ」入りというところにこだわりました。薬局で売っている無水アルコールも、水溶性・油性双方の汚れに使えますし、拭き残しが出にくいのでレンズの仕上げと、筐体に良く使います。
ほとんどPCのモニター拭きといううわさも・・・W

 余談になりますが、ZEISSスポーツオプティックのサイトで光学系のお手入れとして「T*マルチコーティングレンズは純アルコールでクリーニングできます。」って記述ありますね。ちなみにNIKON Sport Opticsのサイトには「指紋・水滴・汚れは市販の眼鏡拭き専用の布で拭きとるか、ガーゼに少量の無水アルコールを含ませて軽く拭き取ります。」と書かれていました。レンズのコーティングって基本、金属の薄膜だからアルコールはOKってことですね。「無水エタノール」とか「無水アルコール」だの「純アルコール」とかややこしいけど同じものです。「消毒用アルコール」は20%ほど水が含まれます。
アセトン・ベンゼン等の有機溶剤はゴム・プラスチック部にダメージがありそうだし、コーティングの種類によってはアウトの可能性があるようですから使っちゃいけません。
 
 クロスはレンズ用のが市販されてますが・・・これって要は20年位前に出たと思うのですが、マイクロファイバーを使ったクリーニングクロスなんですが、質の良いものはほとんどTORAYの商品名「トレーシー」ってのじゃないかなあと。眼鏡屋さんでおまけについてるし、まあ、何を使ってもいっしょってことですねW。カメラ関係の販促品でもらったのとかいっぱいあるので、買ったことありませんW 洗えば何度でも使えますから、これまた一度使用したら洗っちゃいます。

 洗うの面倒だし、普通、ペーパも使いますが、先輩から、「ティシュペーパなんか、サンドペーパと一緒やで~」と教えてもらったので、ティッシュなんか使わずにまめにレンズ用のクリーニングペーパを使います。専用のペーパって言っても薄手のペナペナで硬いのじゃなく、レーヨンの不織布系・・・ふわっとしたやつです。「ダスパー」とか「シルボン紙」で検索すればすぐ出てきます。
 
 お出かけセットも用意しましょう
 
 出かけるときは小さなポーチに、家で使っているものより小型のブロワとブラシ、小さめのクリーナー・・・、(アルコールベースのものじやないですが、携帯用の眼鏡用しか持ってません。)とクロスを何枚か。
 野外では光学ものはあんまり触らないようにしています。風なんかで埃とか以外に入り込みますし、あわてると拭き傷とかの素ですから、実際、ブロワくらいしか使わんようにしています。とは言え、どうしても現場でクリーニングしなきゃならない場合もあるかもしれませんから忘れちゃだめですね。気休めみたいなもんですW
 
   
 最近は、元々がカメラレンズのお手入れに便利なものがでていて「レンズペン」といいます。セム革のチップに特殊なカーボン粉末がついていて、汚れを吸着してくれます。medaichiのセットはチップが平面のフィルター用、球面のレンズ用、小さなチップのものはカメラのファインダとか、双眼鏡の接眼レンズ周りのクリーニングに重宝しています。
 以前、このカーボン粉末が目に入ると、炎症の原因になるから接眼部には使用しないでとか言われてたようですがmedaichiは「ブロワとかブラシで飛ばせばいいじゃん・・・」と、気にせず使ってました。対物レンズには文句なしに、仕上げ用として便利です。
   
 こんなふうに、小さなチップのものは、カメラの小さなファインダや双眼鏡の接眼レンズまわりの隅々まできれいにクリーニングできる優れものですね。でも、軽微な汚れ程度ならいいですが、いきなりレンズぺんでは拭かんほうが良いと思われます。ちゃんとお掃除の手順を踏んで仕上げに使うってのがベストと思います。medaichiも、最初はレンズペンって「これって拭き傷のもとと違うやろか? 常用して擦りまくったら絶対コーティングに影響ありそうだし・・・」と敬遠してました。
 ジャンクの双眼鏡とかで試してみて、いい感じなので、最近はレンズペンについてはクリーニングの仕上げ用として機嫌よく使っています。
 
 実際にお手入れしてみましょう
 
 最初は、ブロワで埃、とくに小さな砂粒は大敵ですから、レンズ面だけでなくヒンジなど可動部も丁寧に吹き飛ばします。そういった面からブロワは大きなもののほうが効果があります。後は念のため柔らかなブラシで軽く払います。オーバーなようですが、レンズ面のお手入れの場合、クリーナーで拭う前にルーペや小型のLEDライトでチェックするくらい慎重にやっても良いくらいと思っています。でもって、ここまでグダグタと書き散らしてきましたが、ハイッ、普段のお手入れはこれで完了で~すW。
 って、「そんなんでいいんか~?」と怒られそうですが、そんなんでいいんです。たいした汚れもないのに神経質にレンズ拭きする必要はありません。 
 
 次に、気になる汚れのある場合は、レンズ用のクロスかペーパーを軽く丸めて、クリーニング液を約1滴分位・・・、付け過ぎるぐらいなら少なめのほうが良いです。あとは、拭うというより、汚れた部分を軽くたたいて汚れを浮かし、クリーニング液の付いてない部分で、真ん中から周囲に向かって拭き取る・・・みたいな感じでやってます。
 左の赤いキャップのアルコールランプみたいなのは「ハンドラップ」と言って、元は実験用品とか・・・定量吐出器とかすごい名称のものですが、ようは、頭の金属のお皿部分をポチると一定量の、この場合、レンズ拭きにちょうどいいくらいのアルコールが出てきて具合の良いものです。何台もメンテするマニアさん御用達ですねW
 
 とは言っても、拭き残しというか、乾いたクリーニング液の痕跡がレンズ面に残る場合がありますよね、こういう時は汚れが取り切れてないのでペーパを替えて、作業を繰り返すわけですが、先のレンズペンで軽く拭いてやると、カーボン粉末が汚れを吸着してくれ、とてもきれいになります。管理人は、レンズペンで汚れを取るというよりも、軽く仕上げをするって感じですね。後は、忘れずにブラシやブロアでカーボン粉末を飛ばします。
 HAKUBAの取説には、安全上の注意として、カーボン粉末が目に入ることに対する注意と、ファインダー枠や目当てへの付着に対して留意することが記載されていました。
 
 面倒臭がりのmedaichiですから、やる気になった時にに、デジスコ用のスコープの対物レンズもクリーニングしてあげました。普段、使い倒してる子ですが、まだまだ良いコンディションを保ってくれていると思います。「ありがとね・・・」 対物レンズには、ハンナリと青と緑の増透コーティングが・・・。まるで深い井戸の底をのぞき込むように、迷光処理された筐体の底にプリズム面が、水面の様に青くコーティングされているのが覗えます。う~ん、手前の、橙ピンク系のコーティングが施されているように見えるのは、フォーカシングレンズかな・・・? ちょっとこれ、反射きつくね・・・? って、そんな話題じゃなかったですよね。次、行きます。
 
 レンズ物の点検には、小型のLEDライト!!
 
   
 ああ、それから、medaichiが最近、双眼鏡の点検とか光学系のお手入れ時に重宝しているのが、上の写真にあるような小型のLEDライトです。左の様にパッと見た感じ綺麗に見えるレンズでも、低い角度で光をあてるとびっくりするくらい埃や指紋の汚れが浮かび上がって見えます。カメラのレンズなんか注意して扱っているつもりでも、知らずに触れていたりするもんなんですねえ。当然、この後、綺麗にふきふきしてあげました。
 
 双眼鏡やレンズ物の保管は・・・?
 
 双眼鏡って、まあ使ってりゃ汚れるもんなんですが、一番の大敵っていうと保管中のカビですね。盛大にやられるとメーカーメンテ出しても、痕跡は残りますし、レンズやプリズムの交換という事態に・・・。medaichiは、レンジャーやってた頃は、季節関係なく、机の上にほおりっぱなしでおいていてカビたことないですし、野鳥園でも貸し出し用のNIKONのEタイプ(非防水)を30台、ロッカーに入れっぱなしで、特に防湿とか意識してなくてもカビたものは記憶にありません。「使ってる双眼鏡はカビない・・・」ってことなんでしょうが、これは、保証の限りではありませんW
 とはいえ、一定期間使用しないで収納しとくものについては気を使ったほうがよさそうですね。左の写真は簡易の防湿庫です。Yカメラなんかで2.000円くらいで売ってます。別途カメラ機材用の乾燥材を入れて保管するんですが、簡便なのに湿度計もついてて安心ですね。2軍のコンデジとか望遠鏡のアイビースとかごた混ぜで入っているんですが、双眼鏡はケースとかストラップ類とか外したほうが良いらしいんです。湿気を持ち込むことになりますからね。medaichiは、別々に保管すると無くしますからW 良く乾燥させて一緒に入れてます。
 medaichiは双眼鏡マニアでもコレクターでもありません・・・、でも鳥屋を30年もやってると手放せない子が数台・・・、まあ、これくらいは普通かと・・・W。お病気が発症してしまって、光学沼に首まで浸かっちゃったお方は、福沢先生数人がかりで、ゴージャスな電子防湿庫を買って、可愛い子たちを家族の冷たい視線にさらす羽目になりますW。
 なんだかんだでカビは常温でも湿度が60%を超えると成長します。空調もさることながら、防湿が鍵のようです。この防湿庫のメーターでは40~60%が推奨されていました。medaichiの使っている乾燥材では、45%くらいで安定しました。あまりカラッカラに乾燥させ過ぎると、プラスチックやゴムの部品がひび割れたりと良く無いようですから、そこは可愛い子たちが入っているので、medaichiにしてはマメに面倒見ていますW