なんでも、今年は毛虫の当たり年だとか…。いろんな毛虫の増減のピークが重なっているらしい。 
 
 毛虫君達の名誉のために一言書いておくと、よく、「毛虫に刺された〜!」なんて騒ぎになるけど、毛虫君達は蚊やアブのように積極的に(笑)ヒトを刺して吸血するわけでもないし、ハチのように防衛反応とはいえ過激でもないのです。まして、たくさんある毛虫君のなかでも、ヒトに悪さをするのはほんの一握りの種類でしかありません。 

 とは言うものの、今回とりあげた「チャドクガ」は、少々厄介なのは間違いないのでご注意ください。 
   
 関西地方は家屋の植栽にツバキが多いですね。都市部でもツバキの花を吸蜜するメジロが多いですもんね。「チャドクガ」は、文字通り「お茶の木」を含む、ツバキ、サザンカ等のツバキ科の植物の葉を食害します。

ということは都市部の公園や家の植え込みにツバキ・サザンカは普通にありますから、たいへん身近な(?)毛虫と言えます。チャドクガ( 茶毒蛾 )はそのまんま、国内の代表的な毒蛾なのです。4月から10月にかけて春秋に2回発生し卵で冬を越します。
  チャドクガは幼虫から成虫に至るまですべて、たいへん細かい毒針が密生し、個体が死んでも毒性を失わないばかりか、細い折れやすい針の各部分に毒性がある厄介なやつで、被害にあった時の衣服にも注意が必要です。針は衣服の繊維のすきまからも侵入します。触れると1.2時間で赤く腫れ痛痒感があります。蚊に刺された位に思って掻き毟ると断片化した針が広範囲に被害を広げたり、発熱等全身症状になる場合もあります。

 チャドクガの毒は長い間毒性を失わないので症状も長引きます。普通の清涼系の虫刺され薬は効きませんから「ステロイド系・抗ヒスタミン剤の表示のあるものを使用しますが、被害が広い範囲になりそうな場合は速やかに医師の診断を受けた方が良いと思います。
 発生前に剪定すれば良いのですが、発生すると食害がひどいので植え込みのツバキは丸裸にされてしまいます。ヒトに対しては、直接、触れなくても発生木の下を通ったりしただけで、風にのった針にやられたり、放し飼いのペットを通じて間接的な被害を受ける場合もあります。幼虫の早い段階は写真のように密集していますから、食害の兆しを見逃さず殺虫します。
 

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