デジスコのオートフォーカスを検証してみた
 
 左のジョウビタキ君…、みごとな日の丸写真(笑)ですねえ。構図もな~んも考えずにデジスコすると、こんなになっちゃうんですが、要は、フォーカスエリアが野鳥の体のど真ん中、この場合だと大雨覆のあたりにあるわけですね。(緑色の枠で表示)

 でもって、オートフォーカスが「ピピッ!」っと鳴って、シャッターをパシャリ。写真をクリックしていただくと、普段皆さん方にご覧頂いているような画像が開きます。現像した(管理人は普通ROW画像で撮ってる…)画像をリサイズ…ちいさくサイズ変更して、すこしシャープネスをかけるとこんな具合になるんですけどね。

 まあ、そこそこ観れる絵ができあがるわけなんですが、実際はカメラまかせのお手軽写真ってことで、管理人的にはストレス感じてる写真なんです。

( 原画はこちら )
というのも、カメラまかせのオートフォーカス(以下、AFと省略)だと、ちょっと問題があって、ピクセル等倍で見た場合、ジョウビタキの体の一番手前側の雨覆の部分は、左の写真の様にそこそこ解像感があるのですが、肝心の目の周りはボケちゃってる写真が多いんですよね。
 最初は頭が動いたのかな…なんて、お気楽に思ってたんですがどうもそうでもないようです。つまり、良く似た、手前にピントが来て、奥がぶれる画像が大量生産(笑)されて、カメラのAFまかせだとピントが前にズレてるんじゃないかなと思い始めたわけです。「デジスコだし、被写界深度、ピントの合う範囲はこんな距離だと卵一個分くらいなのは想像できるんだけど、いったいどの範囲でピントがあってるんだろう…?」という疑問がムクムクと…。

 で、検証のために作ったのが左のテストチャートです。今回、この稿を書くに当たって、以前やった検証作業の時に使ったチャートを思い出して再現しました。スコープで0位置をきっちりピントあわせし、AFに任せて撮影しました。 


 普段、野鳥を撮影する10m位の距離で、ワイド端から少しズームして、絞りも開放から2段絞ってます。一番多い状況で撮影したのですが、左の画像の様にかなり手前にピントの中心が来ています。

 0位置から、奥には+10mm位からすでに怪しくなっているにもかかわらず、手前だと-40mm位まではなんとかなりそうです。ケージが傾斜しているので正確ではありませんが、AFまかせで野鳥の体の真中、つまり手前に合焦させると、少し奥の眼のまわりが甘くなるのは避けられそうにありません。

ともあれ、過去の経験から、デジスコに使用したコンパクトデジタルカメラは概ねこういう前ピンの傾向がありましたし、ある程度絞り込めば緩和されるのもわかりました。
でも、一眼レフの上級機ならAF位置の修正は可能なのでしょうが、コンデジでは無理です。また絞り込めばシャッタースピードが遅くなりブレの原因になります。 
 

 ( 原画は、こちら )
 現在、管理人のメインカメラのS社のRX100は、スコープのピントを少し後ろに送ると合焦マークがつきませんがシャッターは下ります。手前ピントだと実際にはピントが合って無いにもかかわらず、お気楽に合焦マークが点灯する傾向があります。もっとも、この傾向はS社のコンデジだけでなく他のメーカーのカメラにもあります。

 管理人のデジスコは実際どうやって撮影しているかと言うと…撮りたい野鳥が出た場合

  ① とりあえず証拠写真!! なんにも考えずカメラまかせで、まず数カット撮影する。
  ② スコープのピントを気持ち奥に送って、合焦マークがつかなくても撮影する。
  ③ 眼にピントを合わせシャッターを半押し、AFを固定し、液晶モニターを確認しながら
     ひたすら撮影する。

 光線の状態が良く、絞れる場合は、AFまかせが多くなります。管理人の場合、印刷を想定せず、web上の使用がメインですから、常用感度は現在iso400なので、明るいと絞るよりは低感度を選択する場合も多いです。この場合は前述のような撮影をせざるをえません。

 デジスコは枚数撮った撮ったもん勝ちという側面はたしかにありますが、野鳥が落ち着いていて、撮影に余裕がある場合は、自分のカメラの癖を見極めながら、撮影成功の確率を上げるため、いろんな撮影の仕方を工夫するのが、ボツ写真量産から卒業するポイントだと思います。