野鳥園でキビタキが観察されるのは、通常4月の上旬です。桜の花が残るころのキビタキ♂っていうと、左のような成鳥がほとんどだけど、4月も中旬を過ぎると、「なんか茶色っぽいな~?」とみえる♂が多くなります。

 亜種キビタキの雄成鳥は、体の上面は黒く,腰は黄橙色。黄橙色の眉斑が目立ちます。喉から胸も橙黄色から黄色味を帯びます。体下面は脇から腹は汚白色でオリーブがかって見えることもあります。
 
 翼の白斑は小雨覆,中雨覆から大雨覆の内側におよびます。初列風切,次列風切,上尾筒,尾羽は黒色です。
 
 でもって、件の茶色っぽいキビタキ雄ですが、左の写真のような子が多いかと・・・。

 去年生まれの個体で、翌年の春の時点では、その羽衣は第一回夏羽と呼称されます。
 
 キビタキの春の換羽は部分換羽で、風切羽は三列風切の一部を除いてほとんど換羽しないというのは共通しているのですが、他の部分の換羽の進み方については個体差が、かなり大きいようです。

 左の写真は、上の個体の翼部分を拡大したものですが、小雨覆、中雨覆、大雨覆ともに体内側から黒い成鳥羽に換羽が進んでいますが、外側にかけて茶色い羽が残っており、初列雨覆、翼角も茶色のままです。

 風切部分も、三列風切の内側の1枚だけ換羽していますね。

 白斑もあまり大きくなっていないようですが、成鳥と思われる個体でも、白斑の目立たない個体はいますし、喉から胸の黄橙部の色の濃淡と一緒で個体差の範囲内で、この白斑部分の大小、黄橙部分の濃淡で、成幼は判断できないと思います。
 
 
 左の個体は、換羽が進んでいない個体で、2013年の4月21日に撮影しましたが、体羽は眉斑と目下、喉、額部分、,左下の写真にあるように、上尾筒の左、尾羽の一部のみ換羽しているようです。

 尾羽は換羽している個体が多いように思われますし、この様に雨覆も始まっていないように見える個体は珍しいと思われます。
 この項は、随時加筆します。