トウネン標識個体がオーストラリアのノザーンテリトリー(北部準州 NorthernTerritoryの放鳥)、日本初記録だったお話 
  春の渡りの頃のお話で恐縮なんですが、確認に時間がかかったということでお許しいただきたいと思います。2015年の5月4日に野鳥園で記録されたトウネンの標識個体の報告です。
 左のイラストのように右足関節上部に黄色フラッグ、右足関節下部に青色フラッグが標識されているのがお分かりになると思います。これは、このサイトの「レッグフラッグのついたシギチドリをみつけたら」で述べたように、オーストラリアのノーザンテリトリー(北部準州 NorthernTerritory)で標識放鳥された事を示しています。
 管理人の所属している、NPO法人 南港ウェットランドグループでは、観察した標識鳥は山階鳥研に報告を上げていますのでそういうことに…。
 加えて「これって、初記録じゃね?」ということで、山階鳥研に問い合わせてもらったところ、オーストラリアから返事が来て、このトウネンの由来が分かりました。昨年(2014年)、オーストラリアのNorthern Territory(北部準州)のDarwin付近で研究者の学位論文のためのバンディングが行われたそうです。そして、このトウネンがその一羽であるとの返事が来ました。これはNorthern Territory放鳥個体の日本で初めての観察記録でした。以外にこの辺の鳥って日本を通過しないんですね。中国沿岸を北上するんでしょうか。

 で、今度は左のコチドリ…。お~お~、いっちょ前にフラッグ2枚もつけてますね。2015年の7月20日です。
 これは、中国、上海の近く長江河口の崇明島(Chongming Island)の標識ですね。左足のメタルリングは脛に付いているように思えるのですが等倍まで拡大してもよくわかりませんでした。
この崇明島の標識も、すでにIDがふられていましたが、山階鳥研によると日本初記録の個体だそうです。 
 ちなみに、上のノザーンテリトリーのトウネンを観察したのは、NPOの仲間内では「変な鳥出すO崎君」で有名な彼で、コチドリの方は「変わった鳥だすK富さん」でした。
 ご両人ともに、数か月来不調で「最近、神通力が薄れてきたのとちがうか~」等と仲間内で陰口をたたかれていましたが、ここに来て面目躍如!! 今シーズンはどんな珍鳥を出してくれるやら期待が高まっています。
 珍鳥じゃなくて、普通種のトウネンやチドリでも、こんな標識鳥を探す楽しみもありますね。「おおっ、黄色に青のフラッグか…、ノーザンテリトリーの鳥って、日本を通過してるんだね。」とやれば、上級者の雰囲気、半端ないと思いますが、必ずその場の空気が冷えますので、ご使用の際は御注意のうえ自己責任にて…(笑)