PanasonicのDMC-GM1用のアダプターを作ってみるお話 
その① 外筒部をなんとかする 
 
  発売されてから、もう1年以上になるのかな、PanasonicのDMC-GM1。管理人のデジスコ用のメインカメラのSonyのRX-100より小さなボディなのにm4/3のセンサ搭載のミラーレス一眼…でもって、この小さなキットレンズ

 気障な言い方かもしれませんが、このレンズが、デジスコとm4/3センサの表現と、ミラーレス一眼のクオリティーへの橋渡しをしてくれることになるのではと期待しています。

 とは言うものの、野鳥園のお客さんで、このGM1の方いないんですよね(笑) まあ、ああだ、こうだ講釈垂れてても始まらないし、デジスコは撮ってなんぼ、「名機がいい絵を出すんじゃなくて、いい絵を出したカメラが名機なんだいっ!」とばかりに衝動買い…見事、人柱に
 
   
  デジスコだから、スコープにカメラを接続しなければならんのですが、市販のアダプターは、福沢諭吉先生が4人がかり…。まあ、へそくりが心細いのは毎度のことなんで、例によって自作することに。 

 概ね、左の写真の様な(Sony RX-100用)ものの延長線上でいいんじゃないかと思っています。改造でいけるかなとも思いましたが、実はこのGM1、レンズは沈胴式でコンパクトなのはSonyのRX-100と一緒なんですが、伸長した時の長さがRX-100より数mm長いんですね。それと、ズーミングが手動でローレットを手で回さないといけませんので、結局、新調することに。

 管理人は、カメラはデジスコ用と割り切って、取り外しはほとんどしませんから、取り外しの難易度は考慮する必要はありません。だいいち、デジスコ引退したコンデジが数台あります(笑)
 
   ●外筒用アルミパイプ

 仕事場に転がっていた( 本当に転がっていた…)、以前、RX-100の外筒を作った時に1mほど購入しておいたアルミ管です。外径は65mm、肉厚は2mm、内径は61mmの管です。1.000円位だったと思います。アダプター1個あたりの単価は数十円(笑) このあたりのサイズの アルミ管は5mm単位で、この下は60mm外径になります。この方がGM1のキットレンズにはピッタリかとおもいましたが、カプラーのTA4のネジ径が58mmなので、そちらの細工の方が面倒なようです。

 検討した結果、65mm管を使って、スペ-サ-を作り、ネジで絞り込む方法に見た目もすっきりということで決定しました。
     
     
   上の図のプランにしたがって、部品を切り出してみました。外筒にはズームリングの操作用にスリットを切り込みます。

 右側の2点は、ズーム操作の為のスリットから入る迷光対策の遮光板です。外筒内部の迷光はアイピ-ス内に入り込み、コントラストに影響しそうです。あと、仕上げの段階で内部は黒の艶消し塗装をするつもりです。

 工作機械とスキルをお持ちの方、またはご友人に恵まれている方は、もっとすっきりした設計ができますよね。また、適当な事に我慢できないってタイプの方は、加工屋さんに別注ってことになりますが、数千円のパーツを多数発注するくらいなら、市販品買ったほうが手間いらずですね(笑)
 
     
    管理人の持っていたカプラーのTA4+5の取り付け部には58mmのネジが切ってあります。管の内側にネジを切るなんて芸当は無論できませんから、安い延長リングを3個つけてねじ止めします。これは、TA4+5の取り付け部のネジを損傷しないためのものです。
 
 使用するアルミ管を外径60mmを選択した場合、内径は56mm前後になりますから、この段階で、ステップダウンリング等を組み合わせて調整しなければならないでしょう。

 また、カプラーTA4+5の取り付けは最後まで待ちます。理由は、レンズ先端と、アイピースの間隔の微調整の為です。間隔を広げるのは、接眼アダプターのP2側を繰り出す等という手段がありますが、狭めるのは外筒自体を削るしかないからです。
     
    ●仮組してみました。

 おおっ、黒と茶と銀色が、シックな大人の雰囲気を醸し出しているではありませんか。カプラーのTA4+5はテープ止めですが…

 実は、この「仮組してカメラを装着して、何枚か試写して見る。」というところが一番緊張する場面ではあります。この後、レリーズの取り付けだの、ドットサイトの取り付けだの、細かい仕上げとかありますが、そんなのは操作性や手間の問題でどってことありません。光軸が保持されているか、アイピースとレンズの間隔は適正か、ズームの各段階での写り具合とかの基本的なチェックを行います。

 調整程度ですめば問題ないのですが、素性がよくなければ作り直し、さらには基本設計の見直しというはめになります。
     
     使用レンズはG VARIO 12-32㎜/F3.5-5.6です。 素子がm4/3なので、35mmに換算すると、24-64mmってことになります。tele側が少々物足りない感じがしますが、管理人のアイピースはTE-11WZなんで40倍あたりで2.560mmになりますから充分でしょう。

 まずは、アイピースもレンズもワイド端から…、わははは、盛大にけられてますね( レンズの口径の差で、写りきらない部分がでていること )。

 さて、この「けられ」の出ている段階で、けられの出方が左右均等でないと気になさるお方もおられますが、管理人的にはセンサーの取り付け位置の問題で、これは解消できないと思っています。無理にいじっても光軸が傾いたり、支障がでてきますので無視した方がいいでしょう。

  ズーム域の、真ん中から少し手前の20mmあたりで、けられはスッキリ無くなりました。周辺減光がチェックしやすいように空ぬけで撮っていますが、アイピースの全段階で、20-32mmで使えそうです。あと、レンズの絞りの各段階でも検証した方がいいでしょう。今は、周辺減光が解かりやすいように、空ぬけで撮影していますが、周辺画像の流れも気になるところですから検証したいとおもいます。

 実は、先のデジスコ用カメラのRX-100用のアダプターを作るとき、スコープの接眼レンズとカメラレンズの距離については、かなり神経質になっていて、近すぎても周辺減光がでたり、周辺画像が流れたりするというところまでは解りました。
 今度のGM1の外筒部の長さを取りあえず決めるにあたっては、GM1のレンズの繰り出し量がRX-100より数ミリ長いということで、その数値を加えて決めました。この、GM1のキットレンズ、今どきのレンズにしては少々暗め、その分前玉が小さくてデジスコ適正がいいのでしょう、wide端とtele端でP2を繰り出したり余計な操作は必要なくスンナリ決まりそうです。
   
   
     
   光軸の具合を見るために、P2を繰り出してみましたが、グリッドはセンターをとらえ続けています。簡単に仮組しただけでスンナリきまりましたので、今回の外筒部は素性の良いのができたみたいです。

 以降、シーソーレリーズとドットサイトの取り付けをして試写をするのが楽しみになってきました。
 
 
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