カテゴリー別アーカイブ: シギ・チドリ

秋の渡りが始まりました・・・

ヒトの渡る世間は「盛夏の候」ってことなのですが、シギやチドリの世間では北の国で子育てを終えた成鳥達の「秋の渡り」が始まっています。野鳥園の干潟には概ね7月の下旬から姿を見せてくれます。はじめは数は少ないですが日々個体数・種数を増すのが楽しみです。今朝は、アオアシシギadが展望塔前にやってきました。

オオソリハシシギのあれやこれや・・・

4/17にオオソリハシシギの♂adの赤い子が観察できたのだが、4/18以降は赤くない子達が滞在している。日本に普通渡ってくる亜種オオソリハシシギは、アラスカで繁殖し、ニュージーランド・ 東オ-ストラリアで越冬するL. l. baueri とされているのですが、日本では東シベリアで繁殖し、北西オーストラリアで越冬する亜種コシジロオオソリハシシギ L. l. menzbieriが観察される可能性もあります。

日本で普通のL. l. baueri は、腰から上背にかけて縞模様があり暗色に見える。亜種コシジロオオソリハシシギはL. l. menzbieri とされ、腰から上の縞模様がまばらでより白っぽく見えます。でもって背腰を見せてくれるまで粘りました。ん~、暗色班がしっかり入ってますねえ。要はこの子は腰から上背にかけて縞模様があり暗色に見えるので、亜種オオソリハシシギ L. l. baueri で、東シベリアで繁殖し、北西オーストラリアで越冬する亜種コシジロオオソリハシシギ L. l. menzbieriの可能性はありませんでした。

そうだなあ・・・。このネタは普通の図鑑にも書いてありますが、探鳥会で「腰から上背は暗色やねえ~、baueriだね。」とやったら、まわりから人がひくかも・・・微妙です。

今朝は干潟、オオソリハシシギとか・・・

大阪南港野鳥園は成り立ちから渡りのシギチドリの保護が基本で、植栽部の小鳥はまあオマケ扱いと言ったら怒られるか?  まあいいや。にもかかわらず、当ブログのカテゴリー一覧をご覧になれば一目瞭然、野山の小鳥の方が多いW。というわけでもないのだが、今朝は雨なもんでmedaichiは干潟の捜索を・・・

おお!  いましたいました赤い子が。オオソリハシシギの♂夏羽ですね。下面が顕著に赤く嘴も短めです。「じゃあ♀は?」とか聞かれそうなんで、♀夏羽の画像を探すことに・・・。この時期、♀の赤い子少ないんですよね。

え~、ありました。在庫からですが、下面の赤みがあることはありますが、♂に比べて薄い感じですね。喉下から胸にかけて暗色の縦班が、胸から下腹にかけて同じく横班が認められます。

ダイゼンも夏羽に換羽中の、下面に黒い羽衣がパラパラと出始めていました。先日はムナグロも出ていましたのでややこしいのですが、ダイゼンは太い嘴で、ムナグロよりはるかに大きいのですが単独で観察した場合は、上面の羽衣が褐色で、ムナグロのような黄色味はありません。

今季、野鳥園の近辺で越冬したヘラサギは5羽でしたが、現時点でこの子だけ残留しています。営業面から見れば、スター性のある子がいてくれると管理人のmedaichi的には助かるのですが、まあ気がかりではあります。今朝もお昼に展望塔前で甲殻類などを採餌していました。

ムナグロ・ダイゼンとか・・・

ムナグロとダイゼンは一緒にいると大きさの違いは著しい。ムナグロは全長23-26cm、ダイゼンは27-30cmあるのだ。単独で見るとブットい嘴のシルエットや、歩き方がダイゼンの方がモッサリ・ノロくさいので慣れるとわかりやすいものだ。

夏の終わりから秋にかけて幼羽も混じる。普通は幼羽のほうが黄色味が強いようだ。おまけとしてmedaichiが別の場所で撮影したムナグロ幼羽の写真を揚げておこう。ダイゼン幼羽はムナグロほどでは無いものの淡黄褐色を帯びる個体もいるから、注意が必要だ。

渡り鳥の観察会ご案内

秋が近づくと、野鳥園の干潟には遠くへ旅するシギやチドリ達がやってきます。遠いものでは南半球のオーストラリア・ニュージーランドまで・・・。野鳥ガイドさんの解説で、渡りのシギやチドリを観察します。これから鳥見を始めようかという初心者の方も歓迎です。「野山の鳥はいいけどもシギやチドリはちょっと・・・」とおっしゃる方は是非ご参加ください。 詳細と申し込み