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Nikon Monarch HG 10×42・・・おまけ

外 観

monarch_hg10_40ん~と、鳥もいないんし暇なもんでW、もすこしMHG君のご紹介を・・・。見た目、ゴテゴテと飾り立てた感の無い、素っ気ないくらいのシンプルな、クラッシックな雰囲気ただよう外観です。シボ加工されたエラストマー樹脂も鏡筒の手に触れるところだけ薄く施されています。ボテッとしたラバーコートの嫌いなmedaichiは気に入っています。実際、このMHG君、先輩格の10×40 HG L DCFが790gあるのに、680gと15%軽量です。

「見え味最優先! 像質追及のためには重量関係なし!!」というアプローチもありかとは思いますが、今回は「普段使いの双眼鏡選び」ってことで「軽量コンパクトも性能の内・・・」、道具としての双眼鏡選びという立場でえらんでみました。

レンズコーティング

monarch_hg10_40e対物レンズには青緑と青、プリズムは緑がかった青、接眼レンズは緑や青、ピンクの増透コーティングが・・・。旧モナークに比べて明らかに反射の強度は低く、ほの暗い上質のコーティングが施されています。Monarch7以降、対物・接眼レンズ表面を傷から守るarmor coatingが採用されているようだ。お手入れとかには楽になりますね。

迷光対策

monarch_hg10_40f鏡筒内部の迷光対策も少し・・・。鏡筒内はつや消し処理とびっしりと迷光の反射を防ぐ溝が施されています。このような枠や鏡筒内部のネジを切ったような内面反射の防止のための加工を「遮光線加工」というらしいです。medaichiは最近知りましたW   冗談でなく、平素、双眼鏡を使う鳥屋のくせに道具としての双眼鏡について不勉強だったか思い知りました。余談はともかく、このあたりの加工が不十分だと、逆光時にフレアが生じやすくコントラストに影響します。

接眼レンズの方から見ると、射出瞳の周辺の反射も少なく丁寧に作りこまれています。夜間の迷光の少ない条件で使用する天体屋さんより、我々、鳥屋のほうが本来こういうところに気をつかわんといかんのでしょう。

アイレリーフと視度調整

monarch_hg10_40cアイレリーフは17mmあるから眼鏡使用の方でもOKでしょう。17mmに対し接眼目当てのストロークは10mmほどだ。不足はないが出来ればもう少しあったら楽かなと思う。medaichiの標準機のスワロ君のアイレリーフは20mm、対するストロークは14mmである。せっかくのロングアイレリーフも目当てのストロークが足りないと、視野がかげりやすいので見心地に影響する。双眼鏡を浮かし気味にしないとちゃんと見えないのなんか普段使いには無理!

視度調整は左のキャップを引き上げて調整し、キャップを戻せばロックされる。程よい硬さで、双眼鏡から眼を放さずに調整できるからGOODとしておこう。

その他付属品など

monarch_hg10_40d像面歪曲収差を補正して視野周辺の像質をあげるfield flattener systemの表示が・・・。となると構成的にはMonarchシリーズのハイエンドっつうより、まんま、旧いHGシリーズ・10×40 HG L DCFの後継機種じゃないかなと思う。価格帯も一緒だしねえ。人気シリーズのハイエンドとして市場にだしたい営業上のニーズってやつかもしれませんW

それから、基本のmade in Japanの表示が見えます。Nikonは、Monarchシリーズの生産拠点を中国に移していたから、そういった観点からも、このミッドレンジのMHGはモナークシリーズのハイエンドというより、旧HGシリーズの直系という風格が漂います。

monarch_hg10_40b おまけに、今までどのメーカも一体型の鏡筒にはめ込む型の接眼キャップがほとんどだったけど、MHGは鏡筒端にスリットが切ってあり、接眼キャップとの一体感を高め、「ぶらぶらのキャップなんか要らねえよ~・・・」っていうユーザのために別にラバーガードを付けてくれている。その上から装着できるキャップも、格納時のことを考えると欲しくなるけど、使えるキャップを探すことにします。

最後に

今回、普段使いの10倍機選びで思ったことは、まあ、鳥屋だから当然といえばそれまでなんだけど、いままで記憶に残る野鳥たち、たとえばかっこいいハイイロチュウヒの雄とか愛らしいベニバト、鳥見を始めたころの初めて見たサンコウチョウの雄とか、全部、双眼鏡で見てるんですよね。撮影の時だって双眼鏡無しで行くことは無いし、これほど身近なツールなのに知らないことがいっぱいあるなあってことでした。

身近な双眼鏡だけに、「こいつさえあれば大丈夫!!」ってくらい信頼のおける相棒にめぐり逢えたらいいですね。鳥屋のくせに専門外のことをあれこれ書きちらしていますが、ブログのお客さんにもっと双眼鏡に興味をもっていただければいいなと思いながら書かせていただいてます。

SE・CFとMonarch HGとか・・・②

中央部の解像感hg_se_focus_a

 それでは、SE10×42とMHG10×42の両君の見え方を見てみましょう。なんたって双眼鏡はクッキリ・ハッキリ、解像感と発色ですもんね。でもって、展望塔から近くのアシ原を・・・。風で揺れるのが面倒ですが、まぁ、何とかなるでしょう。それぞれの視野に入れた目盛りはセンターからの割合です。ぱっと見ただけで、両君ともに中央部の解像感が良いのがわかります。でも検証にならないから、中央部の20パーセントほど等倍で切り出してみます。

hg_se_focus_b う~ん・・・、ほぼハイエンドに近い光学品質の余裕のポロ機SE10×42に対し、MHG君、健闘しているではありませんか。屋外なんで光線の状態はすぐかわりますから、ご参考までに。まぁ、中央部の解像感に限って言えば優秀といえると思います。

視野の周辺像 hg_se_focus_c

SE10×42のセンターから視野周辺までを切り出しました。良像の範囲は40%ほどですが、眼視で見ていただけでは、そこから周辺にいたるまでフラットな印象がありました。今回、始めて画像で検証してみたのですが、像質の崩れは、やはりあるものの崩れの度合いが緩やかで軽微であり、そして、なだらかな自然な変化なので、「この辺から・・・」と崩れを意識せずにいたのかもしれません。こういう自然な像質の崩れ方って肉眼の見え方に近いので好感が持てます。廃番になっても人気が衰えない理由かもしれません。

hg_se_focus_d MHGのセンターから周辺部です。やっぱり新しい双眼鏡なので、SEとは味付けが異なりますね。良像の範囲は50%を超えるかも・・・言い過ぎかW。50%としておきます。70%位まで崩れず粘りますが、80%あたりから崩れが目立ちます。ただし、以前も書きましたが、撮影したカメラレンズも周辺部にいくにつれて甘くなりますから、実際、眼視だともう少し周辺まで良く見えます。

 「広視界ながら、フィールドフラットナーレンズシステムの採用により視野全域でシャープでクリアな像を実現・・・」ってのが、Nikonの宣伝COPYなんですが、まあ、視野全域ってのは少々割引せんといかんでしょう。ハイエンドのEDGEに比べれば周辺部は甘いです。ですが、medaichは鳥屋さんなので否定的な印象はありません。広い視界のコンパクトなダハ機でここまでやってくれれば後釜には合格としておきます。おまけですがピントの合う最短距離はNikonのサイトでは2.0mとなっていましたが、実際は最近の双眼鏡らしく、1.6m前後まで合いました。

色再現と色収差hg_se_ca_a

 さて、像の明るさはわずかにSE10×42の勝ち・・・。MHGも明るいです。表現は悪いですが、ギラギラするようなハイエンド級の明るさとまではいきませんが、各メーカの普及機クラスとは別格の明るさです。像の色合いも自然で、medaichiの苦手な黄色かぶりもありません。青緑味を極めて僅かに感じます。

hg_se_ca_b 少し引っかかったのは、MHG君、ミドルエンドというか、この価格帯の機種にしては色収差が多め・・・。お天気が良くコントラストの強い場合、やや目立ちます。建物の縁とか窓の縁を見ていただければわかると思います。もっともSEだけでなく大抵の機種でも、周辺部では色収差は増加するんですが、「ED(特殊低分散)ガラスの採用により、色にじみの原因となる色収差を補正し・・・」云々ってのは期待外れでした。鏡筒が短くなった影響かも。「野鳥で白いのってサギくらいしかいないし、まっ、いいっか・・・」とスルーすることにしました。

悪口はこのぐらいで終わっときます。視野の周辺部75~80%位からの像の崩れと、多めに感じる色収差ぐらいかな。コンパクトな筐体を採用したってことの影響かも・・・。鏡筒を短くしプリズムをサイズダウン、当然、レンズ・プリズムの加工組み立てとか精度が要求されると思うんですが、視野の大きさにもかかわらずよく補正されていると思います。Nikonのトライは歓迎ですね。MHGのシリーズって、対物30mmクラスが企画されてないのかなあ、興味ありますねえ。

SE・CFとMonarch HGとか・・・

se_hgb

お話は前後しますが、写真の左の子はNIkonのSEシリーズの10×42です。SEって確かスーペリアEシリーズ( Superior E )の略だったと思いますから、ポロ型の標準機だったEシリーズを超えて優良なという意味合いで、ポロ型のハイグレードと位置付けられていたのでしょう。像質は明るく、今時のハイエンド機種を10点とすれば9点+の評価はできると思います。中心部分のシャープネスも優秀で、これまた、御三家のアルファ級のような軽やかにスパッと「ここだっ!」という決まり方はしませんが正確で光学品質の高さを思わせます。

なによりSEは、当時、フィールドフラットナーを最初に搭載した双眼鏡の1つで、周辺部にわずかに内向きの湾曲があるものの周辺像の崩れは緩やかで、双眼鏡といえば中心部はしっかり見えてても周辺は緩みはあるものだと思っていたmedaichiはびっくりしたもんです。青味がかったコーティングのためかmedaichiには、わずかに暖色系に見えます。色収差はわずかに感じますが、コントラストの高い対象以外は気になりませんでした。

防水されていないので扱いに神経を使うとか、アイレリーフは長いが目の位置にシビアで接眼レンズの中心をはずすとブラックアウトが始まるとか、まあ、今時の上級機からすれば古さを感じる部分もないではないですが、結果としてすでに廃番で、以降、このグレードのポロ型機は市場にはありません。スワロのHabichtとFujinonのFMTぐらいかな。実売価格で福沢先生数人様でしたから、流行りのダハ機で同等のグレードの像質を求めれば、福沢先生10名様以上になるでしょう。

要は、この10×42SE・CFが「このぐらい見えてくれなくっちゃ・・・」と、普段使いの10倍機の決定を邪魔してた部分があります。でもって、発売当初から興味深く検討していたMHGですが、今回「安く譲ってあげてもいいよ~」ってお方がおられましたのでお願いしました。次回からは、数少ない双眼鏡のミッドレンジとして、MHG君とSE両君の見え方を検証してみることにします。

Nikon Monarch HG 10×42・・・その②

mhg_swaro え~っと、前回はmedaichiの鳥見用の10倍機「ただモナ」って、Nikon Monarch 10×42 DCFが引退して後釜探し中ってお話でしたよね。medaichiはシギチドリ関係の水鳥屋なんで、鳥見は基本、干潟・埋立地・河口部あるいは湖沼みたいな開けたところメインです。鳥との距離がある場合がほとんどなんで10倍機に慣れています。でもって、当ブログのお客様は良くご存じのように、普段使いの10倍機を探さんといかんのに5倍や6倍の低倍率機や大口径の50mm径なんかで遊んでばかりいて、肝心の後釜探しをほったらかしにしてましたW 来シーズンの鳥見のためにも、ここらへんでなんとかせんといかんです。

e_pupil 10倍機といっても、前玉30mm径はパス・・・やっぱ40mmですよね。瞳径は4mm基本、5mmあれば快適ですからねえ。この場合の瞳ってのは、双眼鏡の接眼レンズ面から見た明るい像のことで、接眼レンズを通して見るわけですね。板壁に開いた穴から向こう側を覗くことを想像してみれば、穴の大きさは大きい方が覗きやすいですもんね。この射出瞳のサイズは、接眼レンズの直径を倍率で割れば計算できます。

レンズ径40mm ÷ 倍率10倍 = 4mmとなります。

medaichiの場合、「どんな双眼鏡がいいかな・・・」ってのはその都度変わります。(はなから、1台で済まそうという発想がないW)  最近は、「明るくて、視野の広いの・・・」かな。黄色っぽく色かぶりするのは苦手だから、色再現性のいいの・・・。エルゴノミクスっていうのかな、いかにも人間工学を追及しました~みたいな、整形ラバーで飾り立てたの嫌い~。すっきり、クラッシックな持ち飽きないデザインで、ついでに基本のmade in Japan。( 御三家のアルファ級 ?・・・無理無理W )

 でもって、なんだかんだの紆余曲折の果てに、今度、といっても一昨年出た、Monarchシリーズのハイエンド、Nikon Monarch HG 10×42に決めました。冒頭の画像の左の子です。右のスワロのEL 8.5×42  に比べて、10倍機なのにコンパクトですね。スワロ君の800gに対しMHG君は690gと軽量です。ん~、まあ、軽量コンパクトってのも性能の内って言えば言えるんだけどね。鏡筒の長さを短くすれば入射光の角度は増加しますよね。これって色収差補正の難度が上がるだけだし、プリズムサイズを小さくすれば、加工精度・組立精度のハードルが上がりますよね・・・。

monarch_hg10_40a

 ややこしい話はさて置きW、MHG君ですが、今回、medaichiが注目したのは視野の広さです。実視界は6.9度もあります。これはクラス最大値だと思っています。Zeissの最新機種・Victory SFの10×42で6.8度だったからそれを上回ります。EⅡ8×30みたいな広々とした視界が広がって、とても気持ちの良い見え方をするんですが、この辺は次の機会に・・・。

Nikon Monarch HG10×42・・・なんてね。

mona_hg10_42

アハハ!今月、全然揚げてないや~って、お客さんに怒られますね。本サイトの方も、撮影スランプ・・・。長雨とか台風で、カメラ持ち出してないってのもあるんですけどね。でもって、毎度おなじみの「機材ネタ」でお茶濁し~。え~っと、今回の子は「Nikon Monarch HG 10×42」で~す。上の写真の真ん中の子です。

えっと、左端の子は、2002年ごろ売り出しの、Nikonモナークシリーズの初号機・・・。medaichiが野鳥園のレンジャやってた頃、デスクの上に置きっぱで使い倒してた子です。右端の子は、おなじみのmedaichiの鳥見の標準機のスワロ君です。

Nikonのモナークシリーズって、鳥やさんならよくご存じですよね、Monarch5・Monarch7とシリーズを追加し、いまや鳥見の定番シリーズになった感があるヒット商品です。medaichiの使ってた初号機なんか「ただモナ・・・」とか言われましたW 当時のトレンド、コンパクトなダハ機、ラバー外装、窒素ガス封入の防水機ってことで即買いしました。

ただモナの初号機君さすがに十数年使い倒していると、ラバー外装は浮いてブカブカしてくるし、目当ても変形・破損してきます。万事大雑把で適当なmedaichiでも、さすがにイラっとくるようになったので、めでたく引退~ってことに。野鳥園は干潟とかメインで鳥が遠いので、普通は10倍機を使います。でもって、medaichiも10倍機に慣れていますので、ここら辺で後釜を探すことに・・・

つづきます。

6倍機を比べてみた

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前回、勝間GROLY QF 6×30 SB-Dとmedaichiの標準機のスワロ君とで色収差のお話ししましたけど、スペックの違う機種同士でいまいち「なんだかなぁ~・・・感」満載でしたのでW。 medaichiの僅かなポロ機のストックのなから、同口径・同倍率のVIXEN ATREK Light BR 6×30 WPに登場していただき比べてみました。最近、発売になった機種で、外装も現代的・・・、ちょっとチャラいけど、まあ、バランスよく見えるし、諭吉先生お一人様位のお値段だから、入門機としてはお勧め・・・なんだけど、まあ、8倍か10倍機買っちゃうだろうなあと・・・人情としてW

katsuma_vixen2 ほら、見口だってゴムじゃないし、接眼レンズの口径だって 勝間GROLY QF 6×30よかずっと大きくて、最近の双眼鏡だな~って感じするでしょ。防水処理もされてますし~。

katsuma_vixen3bまぁ、要は白い灯台を、中央と視野の70%位の位置に置いて写真を撮ってみようかなというお話katsuma_vixen4b

VIXENのATREK Light BR 6×30、新しい機種なもんで、アイレリーフは18mmとたっぷりあるので、撮影は楽でした。この「撮影が楽」って部分なんですが、medaichiは「カメラのレンズに入れ易いんなら、人間の目でも見やすいってことなんだろうな・・・」なんて勝手に解釈しています。

katsuma_vixen5b(画像をクリックすると大きな画像が開きます)  眼視ではそれほど差がないように見えましたが、色の抜けの良さ、コントラストの差はコーティングの差でしょう。視野中央なのでしっかり解像しているようですが、解像感の差はレンズ設計と工作精度の差と思われます。VIXENのATREK Light BR 6×30・・・健闘していますが、勝間GROLYの QF 6×30のこの辺りは、ハイエンドに迫るものがありますから、視野の明るさ、コントラスト、解像感をカメラのレンズは描写してしまいますね。とは言え、双方ともに色収差については、ほとんど感じられません。

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(画像をクリックすると大きな画像が開きます)  さて、視野の70%付近になると、VIXENのATREK Light BR 6×30には、灯台の左に青紫系、右に緑青系の収差が現れてきているのがわかります。勝間GPOLY QF 6×30ではほとんど感じられません。色収差については極めて優秀と言えそうです。しかし、像質を見ると円周方向に崩れが顕著です。VIXENのATREK Light BR 6×30では、像質の崩れは補正され、緩やかに思えます。

色収差は色のにじみてですから、必ず解像感に影響しますが、周辺部の視野については、像質の崩れはレンズ設計による差異もあります。勝間GPOLY QF 6×30、昔風の双眼鏡の見え味ということが良くわかります。