カテゴリー別アーカイブ: シギ・チドリ

メダイチドリで蛇足的余談・・・

春のシギやチドリ達の渡りが始まって、メダイチドリが順調に個体数を伸ばしてきている。先日の4/13(土)にも30羽を超え、野鳥園干潟の優占種に・・・W。「管理人のハンドルがmedaichiだから特別に彼らを優遇しているんだろう・・・」等と御無体なご想像をされかねませんが、ここ数年の傾向として観察される個体数が増えてきています。

展望塔のお客様に「♂♀ってあるんですか~?」と聞かれ、「え゛? 何言ってるんだ? 生き物なんだから♂♀あるに決まってるじゃないか・・・?」と不覚にも一瞬言葉を失ってしまったのだが、すぐに「あぁ~、♂♀の羽衣の違いかぁ、♂♀区別がつくかってことね・・・」と立ち直りました。お詫びにメダイチドリ♂♀の比較画像を揚げます。

クイナとメダイチドリとか・・・

今朝みたいな雨模様の時、緑道の奥にいると降られちゃうと困るので、早々に展望塔まで引き返すことに。汽水池の泥にクイナっぽい足跡が・・・。3月の中旬位に鳴き声を聞いていて、2羽姿が観察されたのが4/4だったと・・・。

「今朝は出るかな~」とかお喋りしていると出たW。この子は警戒心の強い子なもんで、朝夕とか薄暗い曇りの日がチャンスなんだけど、汽水池ではこんな風に葦を一線はさんだ状況が多くて開けたところに出てくれません。まあ普通はこのようなボツ写真の大量生産にW。

こういう時、medaichiはあらかじめ行動線の途中に開けた部分を探しておいて「ここに来たら撮影・・・」って決めるようにしています。ん~、ダッシュされちゃいましたねえW。ボディ止まらんかったけど顔が止まっているからまあいいや。

そうこうしていると、このところ順調に個体数を増やしているメダイチドリの群れが・・・。西池干潟に14羽降りました。この手の子達は降りたのち汀線上にバラけてしまって写真が間延びしますから、舞い降りた直後がチャンス!!  連射しておきます。

降りた後は基本動いて採餌している子を追いかけます。medaichiはオオソリハシシギとかメダイチドリを見ると、反射的にゴカイを採る所を撮影する性癖があります。

群れがいるときは望遠鏡を持ち出して端から順番に一羽ずつ観察していくと、同じメダイチドリでも色々な羽衣があって面白いですね。雌雄の差がある種で成幼も含めて図鑑に書いてあることが実際のフィールドでどんなふうに見えるかとか、どこまで見分けることができるんだろうかとチャレンジしていくことは大変興味深く、Birdwatchingの楽しみ方の幅を広げてくれると思います。

ホウロクシギとゴカイのこと・・・

先月末からいるホウロクシギ君は、概ね午前中の潮位の高い時は休憩していて、午後、潮が引いて干潟が現出してくると北観察所前の牡蠣礁あたりから、展望塔前の干潟にかけて採餌して回る。牡蠣礁あたりでは盛んにカニを捕らえている・・・。

ホウロクシギっつうとカニというのは定番なんだが・・・、展望塔前の干潟にくるとなんか雰囲気が違うので撮影してみた。午後からは揺らぎが出るんで写真がぬるくなるから、medaichiは普段撮影せんのやけど・・・、ん~、ゴカイ食べてますねW。

まあ、図鑑などでは「干潟で甲殻類・ゴカイなどを捕食・・・」と解説されていますから、普通っちゃ普通なんだけどお、改めて観察すると新鮮ではありますW。よく考えてみればホウロクシギが干潟にいるのって渡りと非繁殖期だけですもんね。繁殖地は内陸の湿原に隣接する草地みたいなところやから、孵化した雛たちは昆虫食べます。チュウシャクシギなんかも河原でみたときはバッタたべてたような・・・。

春の渡りはホウロクシギから・・・

「そろそろ春の渡りが始まっちゃうぞ~」という世間様のお声にせかされてW、昨日は怠けていた西池干潟の葦苅を・・・。3/26(火)にホウロクシギが初認され、昨日も北観察所前の牡蠣礁でカニを捕食していました。「今朝は潮位が高いので近くにいるかな~?」と思いながら野鳥園に来ると、昨日葦苅して視界を広げた西池干潟で休憩中でした。なんて間がいいんでしょ~♪ WW  アハハ齢がばれちゃう。

medaichiの齢はおいといて、ご休憩中ですので動きがありません・・・。頭カキカキをしてくれたので、上尾筒に褐色味があるのをが確認できました。

アカアシシギとツルシギのおまけ

10/19のアカアシシギとツルシギの端折った記事でお客様に質問とかいただいて、意外に( 失礼W )アカアシシギ君に関心のある方多いようで驚きました。写真を撮っておられる諸兄にも断片的というか、未整理で覚えておられるもんで煮詰まっちゃってる方も見受けますので、平素、「図鑑に書いてあることが実際のフィールドでどう見えるか、きちんと確認しましょう。」等と言わせていただいてるので、まぁちょっとオマケ記事を・・・

幼羽は孵化後の最初の正羽でシギの場合、渡りの早い頃(8月~10月)に見られます。以降一般的には体羽の一部・・・(主に肩羽が目につきますしわかりやすいと思います)を換羽して第一回冬羽となります。頭や体下面よりもわかりやすいので、まず肩羽に注目する癖を身につけましょう。上の写真では、第一回冬羽に換羽中の肩羽が灰色に細い羽軸の冬羽に換羽しているのがわかりますね。

野鳥というとまず羽に注目しがちなんですが、羽の生えていないところ裸出部も年齢の識別に役立ちます。アカアシシギはその名の通り赤い足が特徴なんですが、幼鳥や第一回冬羽の場合、足はどちらかというとオレンジ色っぽく見えます。成鳥の場合、夏羽よりは幾分鈍くはなりますが冬羽でも赤く鮮やかです。上下嘴基部も若い鳥では赤みが乏しくほとんど無い個体もいます。でも、写真の場合は撮影時刻や個々の設定で赤色がかる場合がありますから注意してくださいね。

ツルシギとアカアシシギのところでお話しするの忘れてたんですが、ツルシギのほうが僅かに体も大きく足が長く体高も高いのですが、水辺だと必ずしも同じレベルに立ってくれているわけもなく、図鑑のようにじっとなんてしてくれませんよね。まあ、上の写真みたいに紛らわしい場合がほとんどだと思います。

medaichiはシギの体高というか足の長さを見る場合、ほとんど脛( tibia )を見ています。この写真なら下腹から脛がどのくらい出ているか、アカアシシギとツルシギの違いが見て取れると思います。オオメダイチドリとかも見ますね。まあこんなこと言っちゃうとなんだけど、経験上申し上げますと、面倒だからと言って識別のポイント一か所だけで「この子は・・・だいっ!」って決めつけちゃうと、うん、たいてい後で赤恥とか青恥をかくはめになります。

コアオアシシギ成鳥冬羽のこと・・・

10/28、今朝の干潟でコアオアシシギが1羽増えて2羽に・・・。この子は第一回冬羽に換羽中の幼鳥で、野鳥園の秋季の観察は暗色に見えるこのような個体がほとんどです。ん~、シギチドリの観察メインの野鳥園なのにコアオアシシギのお話もしたことないような・・・。つうことでブログのお客様におまけ記事を。

この成鳥冬羽の上面は全体に灰色っぽくて、羽軸が細い褐色で白い羽縁があります。上段の第一回冬羽に換羽中の個体と比べて、上面の全体が灰色っぽく見えると思います。野鳥園では観察の機会が少なくてmedaichiは一瞬「んっ? なんだ!?」と驚きました。というのもコアオアシシギのみならずシギの秋は幼鳥が傾向として多く、種によっては成鳥冬羽が稀にしか見られん場合があるからです。

近年、アカアシシギやコアオアシシギは一部越冬する個体が見られるようになりましたから、この子も越冬してくれる可能性は結構あるんじゃないかと。medaichi個人的にはお勧めの子ではあります。こんな地味な鳥イチオシにすると偏屈な鳥屋と思われますから、まあなんだ・・・、ほどほどにっつうことで・・・W